- イモリの死因について
- なぜイモリにとって水質は重要なのか?
- 両生類に起こる自家中毒とは何?
今回の記事は、マダライモリについての解説ではありません。
クロカタスツエイモリが、なぜ死んでしまったのか、私なりに考察してみた内容になります。

私が初めてお迎えしたクロカタスツエイモリ(クロちゃん)が死んでしまいました。以降ではクロちゃんと呼ばせてもらいます。
イモリが死んでしまったと書いてしまいましたが、今回の場合、私の飼育管理が未熟だったことが原因ですので、飼い主が殺してしまったが適切ですね……。
クロちゃんごめんよ…あーやってしまった、、正直なところ凹みました…
でも、もう元には戻りません。
では自分でやれることは何か……
どうしてそうなってしまったのか、それについて原因を追究することだと考えています。
「原因を追究する」と偉そうに書いていますが、獣医や専門分野の人でもない、一般人の私が確実な原因を把握することは難しいと思います。
しかし、他のイモリたちに、クロちゃんと同じようなことをやらないように、何が原因だったのか、自分で考えることは重要なことだと思い、考察してみました。
今回は個人的な見解が多くなりますが、皆さんにも何かヒントになれば幸いです。
お迎えしたイモリについて
今回の記事では、クロちゃんが死んでしまった原因についての考察なので、クロカタスツエイモリの詳しい説明は書いていません。
ツエイモリはクロカタス以外にも模様の違う種類がいますので、気になる方はネットで調べてみてくださいね。

このクロちゃんは、以前から仲良くしてもらっている有尾仲間の方から、無理を言って購入させてもらったイモリでした。
このピエロのようなドット柄に憧れていて、いつか飼育したかったイモリでした。
お迎え前の様子
私の家にお迎えするまでは、有尾仲間の方が2年ほど飼育していたイモリです。幼体以降から飼育していた個体みたいなので、生まれて3年以上は経っている個体だと思われます。
上陸間もない幼体ではなく、飼育者に2年ほど飼い慣らした個体であるにもかかわらず、お迎えして2か月も経たずに死んでしまったことは、私がまだまだ未熟だったため、うまく飼育できなかった証拠です。
お迎え前のイモリの飼育環境は、水場:陸地=7:3のようなテラリウムで飼育していたと聞いていました。

実際に飼育していた環境の写真、温度管理、餌の種類や頻度など、これまでの飼育環境を詳細に教えてもらっていました。
この時期のクロちゃんの様子は、陸地には上がらず、ほとんど水中で生活していて、呼吸をするときに水面に上がってくる程度で、完全に水棲に適応した状態のようでした。
クロカタスツエイモリは通常時、陸棲で飼育する方もいますし、このような水棲環境でも飼育している方もいます。どちらが正しい飼育環境かどうかはありません。現にどちらの環境でも、長く飼育できている人がいます.
お迎えしたイモリに合わせた環境を選択してあげましょう。
お家でのクロちゃん


お迎え当初のクロちゃんは、元気いっぱいでサテライト水槽内を気持ちよく泳いでいました。
家に来てからも2,3日後には、餌を食べてくれるようになり、幸先の良いスタートでした。




我が家の家族も、クロちゃんの愛嬌の良さに「かわいい!」と気に入っていました。娘もイモリプログラミングのマスコットキャラクターとしてクロちゃんの絵を書いてくれました。
正直この時は、順調に飼育できていると感じていましたし、このまま長く飼育していけると思っていました。
クロちゃんが死んでしまうまでの様子
ふと何気なく、クロちゃんの様子を見ていたら、サテライトの壁にくっつき、じっと上を向いた状態で停止していました。
どうしたのかな?と2,3分見ていたのですが、上を向いたまま苦しそうにしているので、さすがに様子がおかしいと感じ、急いでサテライト水槽から出してみて確認しました。
サテライトから出した直後、口をパクパクとあけて苦しそうにしていました。
しかし、水苔の上にのせてから、30分後には動かなくなり、死んでしまいました。
特に皮膚などに炎症などの外傷はなく、水面まで上がる体力がなくなり、溺死してしまったように見えました。
このような事態になる2,3日前から、クロちゃんが水面に上がり陸地によくいるなと感じてはいました。
お迎えしてから、いつも水中にいたので、「あれ、どうしたのかな?」と不思議には感じていました。しかし、異変だとはわかりませんでした。
この2,3日前に異変に気が付き、クロちゃんに対してなにか処置をしていれば、助かっていたかもしれません。いや、それよりもっと前から対策しなければいけなかったのかもしれません。
死んでしまった原因って1つなの?
クロちゃんの死因については、確実に何が1番の原因なのか、なかなか判断がつきません。
1つの原因だけではなく、イモリにとって良くない原因がいくつか重なってしまって、このような事態になってしまったのではないかと考えています。
例えば、コップに水(原因のもと)を入れていき、ある一定は平気ですが、入れ続けていくと一気に溢れてしまうような感じです。
そのため、悪い症状が出てしまってから対処しようとしても、手遅れになる場合が多いのです。
実際に殺してしまった私が偉そうに言う資格はないのですが、日々の飼育管理の中で、悪い症状が出てしまう前に、先手先手で、イモリにとって良くない原因を1つずつ対処していくことが重要です。
私も今回の件で、改めて思い知らされました。
原因について
では「複数の原因とは何なのか」それについて、考察していきます。
原因1つ目
1つの原因として、サテライト水槽管理でクロちゃんを飼育してしまったことです。

サテライト水槽管理について、詳細が気になる方はこちら↓の記事をご覧ください。

私がおススメするサテライト水槽管理の1番のメリットは、「水質の安定性が高い」ことです。
なぜ水質が安定しているか?
簡潔にいうと、大きな水槽からサテライト水槽内に、水が循環してくるからです。
常に新鮮な水が循環して水質が安定していることは、イモリにとってメリットです。
サテライト水槽でマダライモリの幼生を管理することで、安定して上陸させることができるようになりました。
しかし、今回は私のせいで、水質の安定性以外に大事なことに、気が付きませんでした。
これは、サテライト水槽管理のデメリットでもあります。
私がやらかした失敗は、大きな水槽に複数のサテライト水槽を引っ掛けて、クロカタスツエイモリ以外のイモリ(アメイロイボイモリやアルプスイモリなど)も別のサテライト水槽で飼育してしまったことです。
もちろん、1つのサテライト水槽内には、違う種類のイモリは入れていません。
しかし、サテライト水槽の構造上、大きな水槽を通して、複数のサテライト水槽内に、同じ水が循環してきます。
それは結局のところ、1つの大きな水槽に色んな種類のイモリが混泳していることと同じことです。
これには今の今まで気が付かず、クロちゃんが死んでしまってから、気が付きました。
個人的な考えですが、私は同じ飼育ケースに、他の種類のイモリを一緒に入れることを避けています。
それはイモリの種類によって、保有している菌も違うからです。
菌を保有しているイモリが平気でも、違うイモリにとって命取りになる可能性があるからです。
そのため、陸棲で飼育しているイモリたちは、種類に分けて飼育していますし、エサを与える時のピンセットも変えています。
それにも関わらず、今回水棲飼育しているクロちゃんには、矛盾した飼育管理をしてしまいました。
サテライト水槽で飼育してしまったことが、1つの原因ではないかと考えています。
原因2つ目
この時期(秋ごろ)の飼育内の室温と水温の上下差も、悪い原因ではないかと考えています。
夏場の方がエアコンを使用して、飼育内の室温と水温は安定していました。サテライト水槽を引っ掛けている大きな水槽にもファンを回して水温(だいたい22~24℃)を下げて管理していました。
しかし、秋ごろになり、涼しくなってきたのでエアコンを停止して飼育管理をしてしまいました。
10月の後半に1度気温が急激に冷えたあと、11月に入る直前にはこの時期ではかなり暖かい日が続きました。
昼間は飼育内の室温と水温(25~27℃)が上がり、夜は室温と水温ともに大きく下がり温度の上下幅大きくなってしまいました。そのため、クロちゃんに負荷を与えてしまったと思います。
イモリは変温動物(体温の調節ができない動物)であるため、気温の上下に対して、弱い生き物なのです。
今更ですが、クロちゃんが死んでしまう2,3日前に、陸に上がったりしていたのは、涼しい場所を求めて体温を下げようとしていた行動だったのかもしれません。
イモリを水棲で飼育する場合、水温(20℃前後)は低い方が理想です。理由は、水が汚れる(アンモニアの毒性が強くなる)速度が遅くなるためです。
ただ、どちらかというと水温を一定に保ってあげることの方が大事だと思います。
少し水温が高くても、水替えの回数を増やすことで、アンモニアの問題は解消されます。それより、イモリの弱点である体温調節ができないという点(変温動物のため)で、水温の上下差に気を付けることが重要です。
原因3つ目
飼い主の思い込みで、クロちゃんの異変に気が付かず、そのままの環境で飼育してしまったことです。
クロちゃんが死んでしまうまでの様子にも書いたように、死んでしまう2,3日前から、陸に上がりじっとしていました。
上で述べた2つの原因が必ずしも死因として、当たっているかはわかりません。
しかし、いつも水中にいたクロちゃんが陸に上がって、じっとしていたということは、水を嫌がっていたことは確かです。
陸に上がっている時点で、異変に気が付き、サテライト水槽から出して、清潔な環境に移してあげれば、手遅れにならずにすんだかもしれません。
水質が悪い状態かなんて、見た目ではなかなか判断できません。
だからこそ、定期的に水替えしてあげたり、イモリが水を嫌がったときに逃げられる場所をセットしてあげるなどの対処が大切になるのです。
それにもかかわらず、サテライト水槽管理だから水質はいい状態だろうと、私の勝手な思い込みが、対処を怠り殺してしまったのです。
なぜイモリにとって水質は重要なのか

水質って、なんでそんなに大事なの?
水質が悪いと、「自家中毒」になってしまうからです。
この自家中毒というのは、イモリの死因トップ3に入るのですが、あまり知られていません。
自家中毒について説明する前に、
「皆さんは、イモリやカエル(両性類)が口から水を飲んでいるところを見たことありますか?」
おそらく、見た方はいないと思います。
見たことある方は、たぶんそれはヤモリ(爬虫類)だと思います。
それでは、イモリたちは水を飲まないのか?
いいえ、そんなことはありません。
実は、イモリたちは口から水を飲むのではなく、「皮膚から水を吸収している」のです。
この習性こそが、自家中毒と深く関係してきます。
イモリにとって自家中毒というものは、汚い水(アンモニアや排泄物を含んだ水)を、皮膚から直接体内に吸収してしまうことで病気になってしまうことです。
口から含むことのできる生き物より、イモリたち両生類は、自家中毒を起こしやすい生き物なのです。
そしてもう1つが、両生類は常に皮膚が湿っていないと皮膚呼吸ができないことも、水質が重要になる点です。
イモリにとって水は、切っても切れない大切な存在なのです。
さいごに
色々クロちゃんの死因について考察してきましたが、確実に言えることは、
私がまだまだ未熟だったことです。
イモリのことを優先せず、飼い主のわがままが招いた最悪の結果です。
いくつかの原因が重なって起きたこと(イモリが死んでしまった)だと説明してきましたが、その根っこである原因は私の飼育管理にあることは確かです。
複数の原因を生じさせてしまっているのは飼育者です。イモリは何も悪くありません。
上でも述べましたが、有尾仲間の方のもとで、クロちゃんがそのまま飼育されていれば、おそらく……
いや、確実に死なずにすんでいたことでしょう。
また今回あげた原因でもある、サテライト水槽で飼育しようとした点でも…
なぜ同じように、有尾仲間の方がしていた飼育環境(アクアテラリウム)にしなかったのかは、
私がクロちゃん1匹のために、広い飼育スペースを取られることが嫌だったからです。
完全な私のわがままです。水棲飼育の経験が少ないにも関わらず、飼ってみたいという気持ちを優先して準備を怠ってしまいました。
またこれまでサテライト水槽管理で、イモリの幼生を水棲管理できていた勝手な私の驕りが、まねいた結果です。
やはり、イモリを長く飼育していくことは、簡単ではないのです。
ここはかなり独断と偏見な私の見解ですが、イモリを含めた両生類が、爬虫類のように広く自然界に君臨できない点は、水場から離れて生きていけないことにあると考えています。
飼育する点でも、この水場の管理こそが、両生類を飼う難しさを上げている要因だと思います。
自家中毒、細菌の増殖、水温の変化など、様々なことに気を付けて、水場を清潔に保つ必要があります。
今回の私のように、実際に飼育してみないと分からなかったこともあると思います。
私に偉そうに言う権利はありません。
それでも、まずは、イモリを飼育する前に考えてもらいたいです。
「本当にイモリを受け入れる準備はできているか?」
今回の記事は自身の反省も込めて、考察してみました。
最後まで、お付き合いいただきありがとうございました。
他にもマダライモリについて、書いた記事がありますので、読んでもらえると幸いです。

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